帰国すると実家の氏神様にもよく参拝に行きます。その氏神さまは戦前戦後、移転を繰り返した神社であり、平成のある時に再び(恐らく終の住処で良い場所に)移転する時、神様の御霊を提灯行列で新しい社殿にお引越しする行事(神事?)がありました。実は母のツテで私も参加させられていたのです。「させられていた」と言うのも当時は神社仏閣にさほど興味がなかったからです?なので「へぇ〜神様の引っ越しってこんな事するんだ〜」程度で提灯を持って歩いただけでしたが、やっと以前の鬱蒼とした暗くて狭い誰も行かないような場所から明るく広い敷地へのお引っ越しだったので、今の私なら「神様良かったですね!!?」と熱く嬉し涙で歩いた事でしょう?今思うと神社のお引っ越しなんてそうそう無いだろうし、さらに崇敬会に入ってるわけでも氏子として登録されているわけでもないのに、そこに参加させていただいたなんて貴重な体験でしたね?
さて、何年か前のある朝、母と連れ立ってその氏神様に参拝に行くと先客がいました。そのおじさんは私たちより一歩早く参拝しおわり、私たちが参拝し終わって鳥居に向かうと、そのおじさんが階段のお掃除をしていた男性に話しかけている所でした。通り過ぎようとすると、そのおじさんが私たちに声をかけてきたのです。まるで私たちを待っているような雰囲気でした?
ここの神職はとても失礼ですね!!とカンカン。話によると、そのおじさんが手を合わせていると、拝殿の中、丁度おじさんを神様からブロックするような位置で神職さん達がベラベラと立ち話をしていたそうです。こんな失礼な事はない!と怒っているので、母も私も「そうですね…」と同意。そこからあれこれ話が及び、その後はニコニコと話し始めるおじさん。しかし、時々真顔になった瞬間の眼光が鋭くておっかない事!只者ではない…そう思いはじめた頃、母も同じように感じていた模様。とうとう「ご職業はなんですか?」と母が聞いてしまったー!すると、おじさんは
定年退職したあと、比叡山に行って得度しました
比叡山で修行したお坊さんでした。厳しい修行をしたのですね…どおりで普通の人に見えないはず!?そこから、母が「この子、神社仏閣が大好きで色んな所を歩き回ってるんですよ」と言いつけ始めました?すると、そのお坊さんは「お寺は特に無闇矢鱈に行かない方がいいよ、中には不成仏霊が沢山いる所もあるからね。もし好きならテーマを決めて神社仏閣巡りをするといいよ」というアドバイスをくれました。ちなみに、おじさんは大黒様が好きで大黒様のいるお寺をメインに回っているそうです。それを聞いて私も大黒様を調べたりして興味を持ち始めました。
また、鎌倉でお勧めのお寺も聞いてみました。おじさん曰く「明王院と杉本寺」との回答。結構前の話なので、おじさんがその二つのお寺についてなんて言っていたのか忘れてしまいました?
別れ際、完全に身を守る事はできないけどと言いつつ「赤いものや金色のものを身につけるといいよ、赤いハンカチでもなんでもいいよ」とのアドバイスをくれました。
杉本寺は名前だけ知ってはいましたが、明王院は初耳でした。帰宅してから早速調べると御本尊様が不動明王で、鎌倉時代の元寇の時に退散法要を執行する為に設立された凄いお寺でした。ほぉ〜!行ってみたい!と思いつつ、明王院さんのサイトでお守りページを見ると…
赤と金色のものを発見!!!
え、もしかしてあのおじさん明王院さんの回し者だったんじゃ…?その赤と金色のものは「倶利伽羅守」と「腕輪守」。倶利伽羅守はお不動さまの化身である倶利伽羅龍王を意匠としたお守り。腕輪守はそれぞれ違う顔と漢字一文字の入ったチャームがついたブレスレットとして使うお守りです。これらのお守りをお受けになる時は、本堂で住職さんがお経をあげてくださってお不動さまの目の前で三宝に入った袋を一つピックアップ。腕輪守の方は、チャームの漢字一文字が本当に色んな種類があるそうで、自分が選んだものがお不動様からのメッセージというおみくじのような面白いお守りです。うわ〜!!これは絶対頂きに行こう!
と言うわけで、速攻明王院さんに行きました。日によって住職さんが不在時には頂けないらしいのですが、行った日には運良く副住職さんがいらっしゃって無事に腕輪守と倶利伽羅守を頂きました。さて、お不動さまから私のメッセージはなんだったのでしょうか?
…………「歓」!「歓」って言ったら「歓迎」しかわからんよ!お不動さまから歓迎されたとしか思えないよ?明王院のお不動さま、ずっとついて行きます!?♂️人によっては節目節目でこの腕輪守を頂いている人もいるとの事でしたが、私、もうこれ以上良い漢字出ないと思う。もう引かない!そもそもあの氏神さまで出会った謎の眼力凄いお坊さんとの出会いからして不思議すぎました?ちなみに、その後スーさんも頂きに行きました。漢字は「敢」。スーさんが職場の上司で悩んでいる時でした。また、後輩にも話したら後輩も欲しいとの事で明王院に行きました。後輩は「信」が出ていました。後輩はお母様の病気の件でいろいろ奔走している時です。本当に皆違う漢字がでます。
また明王院のお不動さまがかっこいいんです。若々しくて、髪型カッコよくて、普通は怖い顔のはずのお不動さんなのにいつもとびきりの笑顔に見えます。大抵の場合、本堂の扉が閉まっているし中に入れないので毎月28日の護摩法要に行くか、それこそ腕輪守か倶利伽羅守を頂かない限り、あのお不動さまには会えません?
さて、以前から話している霊感強い知り合いですが、彼は当時アルバイトでバーの仕事をしていました。帰宅が深夜を回ってしまい、徒歩で帰る時にトンネルを通らなければいけないのですが、そのトンネルに出るんだそうです。霊の者が。大柄でウェーイ系でそんな幽霊が怖いなんて彼から全く想像できないけど、怖くて怖くてダッシュで通り過ぎるそうな。その話を聞いて不憫に思ったので、もしかしたらお不動さまのあのお守りが効果あるかも?と、倶利伽羅守を貸したんです。あくまでも数日貸すだけだよと言いつつ貸しました。すると「このお守り凄いよ。これ持ってると全然変なの近寄って来ない。遠巻きにはいるのが分かるんだけど俺に近寄って来ない!こんな事初めて!?」と大興奮。結局、我が倶利伽羅守は私の手に戻ってきませんでした (後日自分用に新たに頂きに行った?しかし、そういう効果があると分かっただけでも嬉しいです。眼力凄いお坊さんが言う通り、赤と金だから??
その眼力凄いお坊さんですが、お坊さんによると毎朝その氏神さまともう一つの神社を交互に参拝しているとのことでしたが、それ以降氏神さまでは二度と会う事はありませんでした。また近隣に住んでいるはずですが町中ですれ違ったこともありません。その時一回だけの不思議な出会いでした。あ、明王院でも会ったことはありません?
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