馬喰町から岩本町を通って神田明神に歩いていく途中に柳森神社という江戸三森と呼ばれる神社の一つがあります。ちなみに江戸三森は新橋にある烏森神社、小伝馬町と人形町の間にある椙森神社、そしてこの柳森神社です。場所は、丁度秋葉原のワシントンホテルの神田川対岸の現・神田須田町に位置しています。
初めて行ったのがいつか忘れてしまったけど、境内に入ると狸だらけで驚きました?本殿の周囲には摂社末社がたくさんあって、その中の江島大明神と書かれた小さいお社の前に行くと、お社の前に猫が!!?白と黒のその猫ちゃんは、皆からくーちゃんと呼ばれて可愛がられている猫ちゃんで、まるで神様のようにそこに鎮座していました。思わずふふっとなって「写真撮らせてね」と撮ったら、サッサとどこかに消えてしまいました。
最初こそ素っ気なかったのですが、その次から会う時には「みゃーみゃー」とアピールして登場してくれるようになりました?毎回は会えないのですが、今回の滞在で神様にしばしのお別れを言いに訪れた日の事です。あれ〜今日も会えないかな〜?今日で最後なんだけどなぁ〜と独り言を言いながら境内に入って本殿の前に立った時です。お賽銭を入れて…
みゃぁ〜‼️
ん!?くーちゃん!思うや否や、本殿の左側からタッタッタッタと颯爽と現れたくーちゃん!ぎゃー!会えた〜!!と喜んでいると、みゃーみゃー言いながら私目掛けてまっしぐらです?嬉しい!と思ったら、柵の内側でズデン!と寝っ転がりお腹を出してゴロゴロ。えっえっ柵があって入れないし、撫でて撫でてってこっち見ながらゴロゴロしてるけど手が届かんよ…?
あっまだ神様にご挨拶してない!!?と、慌てて神様に手を合わせて目を瞑っている時、にゃぁあ〜‼️と一声鳴いた声が聞こえ、目を開けた時にはくーちゃんは去っていました。一通りお参りした後、くーちゃんはいずこと探すと、境内のベンチの上でおじちゃんから猫っかわいがりに撫でられていました?
話は変わりますが、私は木や紙や土で作られたような民芸品が大好きなのです。ある日柳森神社の授与品に親子たぬきの今戸焼人形がある事を知りました。きょとんとした表情が大層かわいく、これは是非とも授かりたい!しかし、ここは社務所もなく、御朱印はセルフスタイル。話が出来る人がどこにもいません。ネットで検索したところ、既に授与されていない、今は授与されていない、いつ授与が再開するかわからない的な事が書いてあって、もう無理なのかな?と半ば諦めていました。
去年2020年の節分の日です。節分の御朱印巡りをして、柳森神社から神田明神に向かう時でした。柳森神社で氏子さん達でしょうか?節分の準備のために境内に関係者と思わしき人々がいました。今がチャンスとばかりに「あの〜、おたぬきさまのお人形は授与されているのでしょうか?」「えっ!?それなに?」「おたぬきさまという人形があって、ここで授与されてると聞いた事があるんです」「え〜おたぬきさま?知らない、なんだろう、興味あるね。ちょっと着いてきて」そう言うと、すぐ裏手の一軒家に連れて行ってくれました。中からはおばあちゃんが出てきてくれて「おたぬきさんって授与品が欲しいらしいんだけど」と、その人が話を通してくれました。優しい☺️おばあちゃんはすぐに奥からおたぬきさん人形を持ってきてくれました。と言うわけで、優しい人がいるタイミングで運良くおたぬきさま人形が我が手中に!!?
このおたぬきさま人形の大きいのは親たぬき。小さいのは子たぬき。親たぬきは家に置いておいてたまに甘いものをお供えし、子たぬきはいつも身につけていると良いと書いてありました。甘いものをお供えという所が可愛いです?親は寿を、子は福を授けてくれるそうです。あくまでも玩具ではなく「お守り」です。
ここ、柳森神社の境内はすごく身近というか親しみやすい空気感のお稲荷さんです。もっと言うとおじいちゃんおばあちゃん家に来たようなイメージ???ちなみに、柳森神社のたぬきのお社は、家光の側室であり綱吉の生母である桂昌院が江戸城内に祀っていた福寿社で、桂昌院の玉の輿伝説にまつわるそうです。八百屋の娘が将軍の側室になった、他を抜いたから「たぬき」だそうです。また、このおたぬき親子は、元々は江戸以前ごろ岩本町一帯にあったというお玉ヶ池の池のほとりに住んでいた狸の親子だという話も。この授与品の今戸焼人形は少なくとも江戸時代からあるもののようです。
妙に身近に感じる親しみやすさがある柳森神社、また帰国したらすぐ行きたいなぁ〜と想いを馳せています。
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